NAGANO WINEのおいしさ、歴史、つくり手の思いを伝えたい 長野市で初の試み「NAGANO WINE week」開催
NAGANO WINEの魅力を多くの人に知ってもらおうと、NAGANO WINEを楽しむイベント「NAGANO WINE week」が6月15日から23日まで行われました。参加したのは、長野市街地の28の飲食店1軒のギャラリー、1軒の本屋、そして12の酒販店。長野市内の飲食店や酒販店の有志が集まり結成した「NAGANO WINE応援団」が企画し主催(※1)したもので、これほど大規模なワインのイベントが長野市で開催されるのは初めてのことでした。
オープニングイベントとして催されたのは、「ワインセミナー in 長野市」と「ワイントレイル in 長野」。セミナーでは、自身もワイナリーを営む玉村豊男さんに「NAGANO WINEと信州ワインバレー」と題したお話を伺い、トレイルでは市内4店舗で千曲川ワインバレー14社のワイン26種類を飲み比べました。これらのイベントを皮切りに、9日間にわたって開催されたさまざまな催しの模様をお届けします。
NAGANO WINEの質の高さを感じられた大盛況のオープニングイベント
オープニングイベントの第1弾として行われた「ワインセミナー in 長野市」。講演に立った玉村豊男さんは、「せっかくNAGANO WINEを飲んでいただくので、予備知識を持って飲んでください」と、日本のワインづくりの歴史、世界のワイン生産の現状、千曲川ワインバレーの特徴などを軽妙な口調で語っていただきました。また、「ワインは風土から生まれると言います。皆さんも機会があれば、ぜひワイナリーを訪れることをおすすめします。ワインができた土地で思いを馳せながら飲むのは格別です」と、参加者をNAGANO WINEの世界に誘いました。
終了後、参加者は出口で専用グラスと、移動時グラスを首から提げるグラスホルダーを受け取り、オープニングイベント第2弾の「ワイントレイル in 長野」に出発です。事前予約制(参加費6,000円)だったにもかかわらず、口コミなどで拡がり、150枚のチケットはあっという間に完売。長野だけでなく関東や関西からの参加者もいらっしゃいました。長野駅周辺の4店舗(※2)に、千曲川ワインバレーの14ワイナリー(※3)のNAGANO WINE 26種が用意され、各店舗ともこの日のために特別に用意した料理で参加者を迎えました。26種ものワインを飲み比べられ、しかも4店舗の特別料理付きとあり、どの参加者も満足そう。「すごく楽しいです。こうやって巡るとそれぞれのワイナリーの個性が分かります」「店舗を巡りながら飲めるという楽しさがあります。しかもワイナリーさんが注いでくれて嬉しい」といった声が上がりました。
※1 後援/長野県、信濃毎日新聞社。ワインセミナーのみ長野県が主催
※2 オステリア・ガット、LA GATTA、Party Dining MIST、TEPPAN+
※3 小布施ワイナリー、角藤農園、楠わいなりー、カンティーナ リエゾー、坂城町ワイン、サッポロビール、サンクゼール・ワイナリー、シャトー・メルシャン、たかやしろファーム、はすみふぁーむ、ヴィラデストワイナリー、ファンキー・シャトー、リュードヴァン、マンズワイン 小諸ワイナリー
BYOでワインを通じた新しいコミュニケーションを
期間中、参加店舗では、グラスワインのサービス、特別なワインの提供、ボトル500円引き、長野県産の食材を使ったスペシャルメニューを提供するなど、さまざまな取組が行われました。なかでも多くの店舗が実験的に取り組んだのが、NAGANO WINEを飲食店に持ち込んで料理と合わせていただくBYO(Bring Your Own)。1本につき2,100円(グラス代)という設定にして、お好きなワインを持ち込んでもらいました。
海外のワインに比べてやや値段がはるNAGANO WINEを持ち込めるのは、消費者はもちろん、在庫をそろえることが難しい飲食店にとってもメリットがあることです。塩尻に新しくできたワイナリーの1本が持ち込まれた飲食店のオーナーは、「初めて飲むことができました。深い味わいで、いいですね」。店舗とお客の新しいコミュニケーションが、BYOを通じて生まれていました。また、参加飲食店では、6月7日に長野県原産地呼称管理制度で認定されたばかりのワインの無料試飲も行われました(22日)。
さまざまな切り口で気軽にワインを
ワインにまつわる1日限りのイベントも開催されました。22日に開かれたのは「ワイナリーズレストラン」。ギャラリー「galerie 夏至」の企画展「工芸とワイン 木村硝子店」に合わせて開催され、東御市リュードヴァンのワインと軽井沢町ル・シャモイーヴルのフランス料理が味わえました(参加費5,000円、16:00と18:00の2回、各回先着10名)。「器は使ってこそ、その良さがわかるもの。NAGANO WINEも飲んでいただければその良さが分かるはず。そして、良いグラスにワイン、おいしい料理が掛け合わされると、食卓がより楽しくて美味しい時間になることを知ってほしくて」と夏至を営む宮田法子さん、実子さん姉妹。
翌23日には満月に合わせたイベント「満月酒り場」が、本屋「チャンネルブックス」の主催で開かれました(参加費1,500円・ワインチケット制1チケット300円、先着25名)。「満月はきっかけ。単純に、人が集まって楽しく飲んで、そのときのお酒がNAGANO WINEならもっと楽しいことだと思ったんです。これからも毎月続けていく予定です」とチャンネルブックスの店主青木圭さん。また、23日はオステリア・ガットではすみふぁーむの蓮見さんの出版記念イベントも開かれました。いずれのイベントも満席の盛況ぶりでした。
ワインを、工芸や料理、人、そして満月に至るまで、さまざまな角度から切り取ったイベントの数々。今回の「NAGANO WINE week」に参加された方からは、「このイベントが文化になるといいですね。ワインはストーリーがあり学ぶ楽しさもありますし。ずっと続いていくと素晴らしいですね」といった声も。来年、再来年と続くイベントになっていくことが、NAGANO WINEがもっと多くの人に愛されることにつながっていくと確信できる催しとなりました。