田崎真也ワインサロンで長野ワインセミナー開催
長野県産ワインへの期待が高まるなか、田崎真也ワインサロン(東京都港区)で「造り手が語る! 長野ワインセミナー」が開催されています。長野県の4つのワインバレーを代表する4人の造り手が、醸造に込める思いとテロワールを語ります。
第1弾は本坊酒造信州マルス蒸留所
第1弾として、6月1日にセミナーを行ったのが、天竜川ワインバレーから本坊酒造信州マルス蒸留所(宮田村)の志村浩樹さん。今年4月に山梨マルスワイナリーに転勤になりましたが、2007年から信州マルス蒸留所で製造主任を務めてきました。
信州マルス蒸留所のワインづくりの特徴は、ブドウの品種をヤマソービニオンに特化していること。ヤマソービニオンは、山ブドウを母として、カベルネ・ソーヴィニオンを父として、日本で生まれました。樹勢は強く、子どもの顔が隠れるくらい大きな葉が茂り、病害虫に強い日本の風土にあった品種です。
信州マルス蒸留所は2000年から醸造を始め、2003年に「信州駒ヶ原ヤマソービニオン」が長野県原産地呼称管理制度で認定されて以来、連続して同認定を受けながら、国産ワインコンクールやジャパンワインチャレンジなどでの入賞を果たしています。
「ヤマソービニオンは、伸びしろの大きいワイン。これからもっと磨いていけば、いずれ日本の赤ワインの主流に育つのではないかと期待しています」(志村さん)
同蒸留所のもう一つの特徴は、地元・宮田村との強い絆。現在、ヤマソービニオンの栽培面積は2.5ヘクタール、栽培者は12人。村内2カ所に集約された畑は「宮田方式」と呼ばれる集団営農で栽培されます。
東京にいながら長野のワインを知る機会
そんな人の結びつきの強い宮田村で、信州マルス蒸留所は、村内のワイン文化の発展を目指して2008年からワインセミナーを開催。2年課程のセミナー修了生はすでに44人に上り、村から「宮田ワイン大使」に任命されています。
また、今年4月、村では県内初の乾杯条例を制定。村のイベントや懇親会は、必ずヤマソービニオンのワイン乾杯で始まります。
以上のようなヤマソービニオン・ストーリーが語られたあと、いよいよワイン5種とウイスキー1種をテイスティング。信州みやだワイン紫輝20005と同2013を飲み比べて熟成の具合を味わったり、信州駒ケ原ヤマソービニオン2012と同樽熟成2111で樽の影響を対比したり。じっくりと色・香り・味を確かめながら、熱心にメモを取る参加者もいました。
若い女性の参加者が多いなか、有名ホテルの日本料理調理長の姿も。国産ワインのマニアという男性は「東京にいながら、長野のワインを詳しく知るいい機会」と話していました。
今後、長野ワインセミナーは以下の3回が予定されています。
7月2日(水)19時~ 井筒ワイン 野田森さん
7月13日(日)15時~ 安曇野ワイナリー 加藤彰さん
7月27日(日)15時~ ヴィラデストワイナリー 小西超さん