マスターオブワインのローズさん NAGANO WINEを取材
日本の酒やワインに深い関心
マスターオブワインの資格を持つ英国人、アンソニー・ローズさんが1月中旬に来日し、NAGANO WINEを取材しました。
マスターオブワインは、ワイン界の最高峰と言われる国際資格で、世界で29か国356人(2017年3月現在)しか資格取得者がいない希少なものです。特にローズさんは、英国でもトップクラスのワインジャーナリストであり、著書も多く、ワインギャングというワイン専門サイトの4人の代表メンバーのうちのひとりです。各種の国際的ワインコンクールのほか、日本ワインコンペティションやインターナショナル酒チャレンジの審査員を務めており、日本の酒やワインに深く関心を寄せています。
今回は山梨県、長野県、山形県、北海道のワイナリーを歴訪。長野県では1月13日に桔梗ヶ原ワインバレーの林農園、井筒ワイン、kidoワイナリー、14日に千曲川ワインバレーの小布施ワイナリー、マンズワイン小諸ワイナリー、ヴィラデストワイナリーを訪れました。
長野県、欧州系専用品種に大きなポテンシャル
とくに林農園(菊池敬専務が長野県ワイン協会長を務める)では、五一ワイン(林農園)のほか、協会に参加するワイナリーの主だったワイン約30本をテイスティング。五感を研ぎ澄まして1本1本テイスティングし、端末に情報を打ち込んでいく姿は、まるで求道者のよう。話しかけることもためらわれるほどの真剣なまなざしでした。
来日を終えての感想を聞くと、「日本のワインの進化に驚いた」とローズさんは言います。「英国では日本は酒とビールの国と思われており、ワインを生産していること自体あまり知られていない」と現状を紹介したうえで、「高地が多く、澄んだ空気と太陽に恵まれた長野県は、ヨーロッパ系ワイン専用ぶどうについて、大きなポテンシャルを持っている」と評価しています。
なお、今回の訪日取材は、おもに、この秋出版予定の著書“Sake and the wine of Japan”に向けたもの。英国では日本食ブームと共に酒に興味を持つ人が増えているので、酒をメインにした本になるそうです。酒を入り口に英国でも日本のワインに関心を寄せる人が増えることを期待したいと思います。