GI長野、ついに指定へ!
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GI長野の指定に向けて長野県原産地呼称管理制度の日本酒・焼酎委員会とワイン委員会が国税局に申し立てを行なったのが2021年4月23日のこと。
それから約2ヶ月、審査やパブリックコメントなどを経て、2021年6月30日に酒類の地理的表示「GI長野」が日本酒とワイン、同時に指定されることになりました。日本酒とワインの同時指定は全国初のことで、その点でも注目が集まりました。
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そもそも、GIとは…?
正式には酒類の地理的表示(GI)制度で、GIとは「Geographical Indication」の略。
酒類や農産品について、ある特定の産地ならではの特性が確立されている場合に、当該産地内で生産され、生産基準を満たした商品だけが、その産地名(地域ブランド)を独占的に名乗ることができる制度です。
*詳しくは国税庁のホームページをご覧ください→国税庁|酒類の表示
長野県では、長らく県独自の「長野県原産地呼称管理制度」を運営し、日本酒やワイン、そして焼酎やシードル、米、などの農産物加工品の地域ブランドを確立してきた背景があります。その考え方を踏襲しながら、日本酒とワインはGIへと移行し、基準を満たしたものについて、今後は国のお墨付きを得て発信していくことができるのです。
とくに、ワインはより厳しい基準を満たしたものはGI長野の表示と合わせて「長野ワインプレミアム」の表示がされます。
指定となるこの日、申し立てを行なった長野県原産地呼称管理制度の日本酒・焼酎委員会とワイン委員会の委員長らが阿部守一長野県知事を表敬訪問し、その場でリモートでつながった関東信越国税局から改めて指定について公告のご報告もいただきました。
阿部知事からは、「長野県原産地呼称管理制度に関わるみなさんの努力が積み上がった結果。これを契機に日本酒とワインのさらなる発信とブランド化を図っていきたい」とのご挨拶がありました。
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同日、山形と大阪でもワインが指定となり、全国的に見るとワインでは、山梨、北海道、長野、山形、大阪という、日本ワインの主たる産地がGIの指定を受けたことになります。
それを受けて長野県原産地呼称管理委員会 ワイン委員会委員長・長野県ワイン協会理事長 菊池敬さんは、「長野県が指定を受けたことは非常にうれしいことですが、まだまだGI自体の認知が進んでいないのが現状です。今回で日本の多数の産地が指定を受けたことになりますので、GI自体の認知がこれから進んでいってほしい」とお話してくださいました。さらには「産地の気候風土のほか、歴史・伝統やノウハウも含めて認められるもの。地域の経済活動を支え、かつトータルとしての文化の保護と発信ができることになります」とのこと。
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また、長野県ワイン協会副理事長 武田晃さんからは、「指定を受けておしまいではない。ここからどうやってGIをマーケティングに取り込んでいくか、それをつくり手が自分たちで考えて発信していかなければいけない。まずは自分たちの意識改革からですね。そして足元の長野、そして全国へと展開してければいい」との言葉もいただきました。
初回の審査は2021年7月6日。この日に第一号となる認定品がお目見えの予定です。また、しばらくは長野県原産地呼称管理制度と並行した審査と認定を行なっていく予定。今後の動きにぜひご注目を。