GI長野/長野県原産地呼称管理制度

「GI」とは

GIとは「酒類の地理的表示制度」で「Geographical Indication」の略です。
酒類や農産品について、ある特定の産地ならではの特性が確立されている場合に、当該産地内で生産され、生産基準を満たした商品だけが、その産地名(地域ブランド)を独占的に名乗ることができる制度です。

*GIについての詳細は国税庁のホームページをご覧ください→国税庁|酒類の表示

「GI長野」とは

GI長野とは、長野県内で生産される日本酒・ワインについて、その産地特性を明らかにし、生産基準を満たした商品を認定するものです。これにより、認定品のみが〝長野〟産であることを名乗ることができます。

長野県では2002(平成14)年に長野県原産地呼称管理制度を創設し、日本酒やワイン、そして焼酎やシードル、米、などの農産物加工品の地域ブランドを確立してきました。
本制度の日本酒・焼酎委員会とワイン委員会が2021(令和)年4月23日、国税局に「GI長野」認定の申し立てを行ない、同年6月30日、日本酒とワインが指定されました。2酒の同時指定は全国初となります。
長野県原産地呼称管理制度の考え方を踏襲しながら、日本酒・ワインは「GI長野」へと移行していきます。

ワインのGI長野認定品には以下の紺色あるいは赤色のシールが貼付されます。より厳しい基準を満たしたものは「GI長野プレミアム」を表す金色のシールが貼付されます。NAGANO WINEのご購入時にはぜひ参考にしてください。産地と品質を保証する目印です。

GI長野 認定ワイン

*2021年度は「GI長野プレミアム」としての認定品です
*リスト上、GI長野の第1回認定ワインは長野県原産地呼称管理制度の第37回認定ワイン、第2回認定ワインは同制度の第38回認定ワイン、第3回認定ワインは同制度の第39回認定ワイン……となります
*長野県原産地呼称管理制度の第1〜36回までの認定ワインはこちらからご確認いただけます
長野県公式サイト

「GI長野」ぶどう酒 生産基準(概要)

①産地
長野県

②酒類の特性
ぶどう品種ごとの本質的な香味の特性がはっきりと現れたワイン
|赤ワイン|
濃い色調、骨格のあるタンニン、適度な酸味を備えた凝縮感の高い味わい
|白ワイン|
ぶどう品種のもつ特徴香がよく表現された、フレッシュで生き生きとした酸を備えている
|プレミアム|
ぶどう品種ごとの本質的な香味をいかし、華やかで気品のある香りと厚みのある果実味が調和した味わいを有し、しっかりとした余韻を感じられる

③産地と担い手の特性
|産地|
◯平均標高1,000m以上、ぶどう栽培地の多くが標高500m以上
◯水捌けの良い土壌
◯冷涼で昼夜の寒暖差が大きい
➡︎ぶどう栽培に適している
➡︎適度な有機酸を含有しつつ糖度が高い白ワイン用ぶどうが栽培可能
➡︎アントシアニン含量が豊富で高品質な赤ワイン用ぶどうが栽培可能
|担い手|
◯桔梗ヶ原でのメルロ栽培が成功し欧州系品種の栽培が県全域に広がる
◯平成以降、各地でブティックワイナリーが増加
◯長野県原産地呼称管理制度の創設
◯信州ワインバレー構想の策定
◯産官学協働によるワイン振興

④原料および製法
◯ワインの化学的要素を規定
(アルコール分7.5〜20%、揮発酸1.2g/L以下など)
◯長野県産ぶどう50品種を原料とする
 その果汁糖度も厳格に規定する
(ヴィニフェラ種17%以上など)
◯補糖、補酸などを規定
(補糖…7.0g/100㎖)
(補酸…果汁の総酸値が7.5g/L以上の場合不可)

⑤管理
◯長野県原産地呼称管理委員会が酒類の特性を維持するための管理を行う
(書類などの確認、理化学分析、官能検査)
◯ぶどう品種ごとの特性を強調するため、使用品種の表示を義務化する

ワインの認定基準(pdf/ダウンロード)

長野県原産地呼称管理制度とは

NAGANO WINE全体の品質向上に一役買ってきたのが、2002年にスタートした長野県原産地呼称管理制度です。香り、味、色など消費者の目線も取り入れ、「栽培方法」「生産方法」「味覚」の観点から厳しい審査を実施しています。
この制度は、全国でトップクラスの生産量を誇る長野県産農産物の品質の良さをブランドとしてアピールすることを目的に、これまでにワインをはじめ日本酒、米、焼酎、シードルが認定され、認定品にはマークが表示されています。

本制度の会長は、農業文化に詳しく生活者の立場から発言を続けている長野県在住のエッセイスト・玉村豊男さんが務めています。

2021年度、国税庁所管の「酒類の地理的表示」により、ワイン分野において「GI長野」として新たな指定を受けたことから、長野県原産地呼称管理制度の考え方や手法を「GI長野」に引き継いでいます。

ワインの味覚を審査する官能審査委員にはソムリエをはじめワイン業界の一線で活躍する専門家を迎えて審査を実施してきました。
なお、本制度においては、色調、香り、味、バランスの4項目について官能審査を実施し、その厳しい審査を通過したワインだけに「長野県原産地呼称管理制度認定ワイン(NACワイン)」と名乗ることが許されてきました。

長野県原産地呼称管理制度 ワイン官能審査委員会

2021年10月現在

ソムリエ

阿部 誠

小樽市出身
一般社団法人 日本ソムリエ協会 常務理事
2002年度全日本最優秀ソムリエ、第11回世界最優秀ソムリエコンクール日本代表
Courts of Master Sommelier Advanced Sommelier、International A.S.I. Sommelier Diploma
Salon de Champagne Vionysシェフソムリエ、Bic Cameraエグゼクティヴソムリエ
2020年 現代の名工(卓越した技能者)受賞

ソムリエ

高橋 敬

長野市出身
株式会社ホテルメトロポリタン長野 シェフソムリエ兼営業部セールス支配人
一般社団法人日本ソムリエ協会信越エリア 理事

ソムリエエクセレンス

北村 秀雄

長野市出身
長野県原産地呼称管理委員会ワイン委員会委員
有限会社北村酒店代表取締役
2001年ワインアドバイザー全国選手権大会優勝
おいしい信州ふーど公使、ボルドー公認講師、SAKE DIPLOMA、一般社団法人日本ソムリエ協会執行役員

ワインジャーナリスト

鹿取 みゆき

東京都出身
一般社団法人日本ワインブドウ栽培協会 代表理事、国税庁審議会委員、おいしい信州ふーど大使、信州大学特任教授 
著書に『日本ワインガイド 純国産ワイナリーと造り手たち』(虹有社)、『ワインの香り』(虹有社)、『日本ワイン 北海道』(虹有社)、『日本ワイン99本』(プレジテント社)、『においと味わいの不思議』(虹有社)

ソムリエ

鶴田 正宏

須坂市出身
レストラン シェ・マサ オーナーシェフ兼ソムリエ
西洋料理専門調理師 調理技能士
一般社団法人日本ソムリエ協会長野支部副支部長

関東信越国税局鑑定官室長

近藤 洋大

兵庫県出身
2021年 関東信越国税局 課税第二部 鑑定官室長
2018年 国税庁 課税部 鑑定企画官
2012年 仙台国税局 課税第二部 鑑定官室長

マスターソムリエ

高野 豊

長野市出身
株式会社高野総本店代表取締役社長
2006年長野県知事表彰受章
有田みかん原産地呼称審査委員会副委員長、八戸市海外経済協力員、十勝原産地呼称チーズ委員会委員長、長野市農業公社産地形成モデル事業アドバイザー

俳優

辰巳 琢郎

大阪市出身
日本のワインを愛する会 会長、一般社団法人日本ソムリエ協会 名誉ソムリエ、観光庁アドバイザー、国連WFP協会顧問、近畿大学文芸学部客員教授
『くいしん坊!万才』約600本、『ごちそうさま』約500本ほか食に関する番組やイベントに数多く出演、2006年〜『辰巳琢郎の葡萄酒浪漫』(BSテレ東)企画・出演
著書に『日本ワイン礼讃』『やっぱり食いしん坊な歳時記』など

ワインエデュケーター

田辺 由美

北海道池田町出身
「十勝ワインの生みの親」丸谷金保を父に持つ
「田辺由美のWINE SCHOOL」主宰
2009年「フランス農事功労章」を授与
2014年~女性によるワイン審査会“SAKURA” Japan Women's Wine Awards(通称:サクラアワード)主宰
2015年北海道道庁主催「北海道ワインアカデミー」名誉校長
2018年十勝総合振興局「ワインアカデミー十勝」名誉校長
亡き父親の意思を継ぎワイン造りにチャレンジした体験を綴った『~十勝の宝石~ 由美ちゃんワイン造るの?』(飛鳥出版) を2016年6月上梓、その他著書に『田辺由美のワインブック』『田辺由美のワインノート』(ともに飛鳥出版)「南アフリカワインのすべて」(ワイン王国)ほか多数

ワインエキスパートエクセレンス

和田 大

神奈川県出身
SAKE Diploma、一般のワイン愛好家として企業経営の傍らワインスクール講師も勤める
第6回(2015年)・第7回(2018年)全日本ワインエキスパートコンクール優勝

ワインエキスパート

樋口 真一郎

福岡市出身
髭男爵 ひぐち君
ソムリエドヌール(名誉ソムリエ)
日本のワインを愛する会 副会長
オンラインサロン「ひぐち君の日本ワイン会」主催

長野県原産地呼称管理制度(ワイン)の主な認定基準(抜粋)
◯原料は長野県内産ぶどうのみ。
◯ぶどうの品種ごとに設けた糖度の基準をクリアすること
◯ワイン醸造のすべての過程が長野県内で行われ、長野県から課税出荷されること
◯ヴィンテージを厳格に運用し、醸造年の異なるワインのブレンドは認めない。◯酸やアルコールの添加は認めない。
◯使用できる添加物は定められた量の酸化防止剤のみ。
◯認定対象とする最低数量は、720ml瓶で600本以上
 (貴腐ワインについては300本以上)
◯色調、香り、味、バランス(官能審査)
長野県原産地呼称管理制度 認定ワインのラベル記載内容
認定ワインのラベルには必ず下記の内容を記載しないといけません。一定の条件を設けることで、買う側に分かりやすくワインの理解を高めてもらうことができます。
◯ぶどう原産地:長野県
◯ぶどう品種:使用割合の多い順にぶどう品種を表示
◯収穫年:ワイン醸造のためにぶどうを収穫した年を表示
◯醸造地:県名および市町村名
◯添加物:酸化防止剤を使用した場合は表示
◯特殊な製法:使用した場合は表示(氷結製法、ジュースリザーブ)